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[映画]『ルーシー』と『リミットレス』にみる「脳10%神話」人間の脳が100%フル活動したら?

LUCY-LIMITTRESS

たまたまAmazon Primeビデオの配信で観た2つの映画には、面白い共通点がありました。

それは、人間の脳に関するものです。

人間の脳が僅かしか使われていないということは、もちろん知っていました。

脳には無限の可能性が含まれていて、もし脳の機能をフルに使うことが出来たら、超人的能(脳)力を発揮することが出来るであろうということも知っていました。

古(いにしえ)の賢者は、瞑想によって脳力を高めたと思われますが、

この2本の映画では、どちらも薬物によって脳力が高まります。

しかし、脳のフル活動は未知の領域です。

そのため、2作品は脳の使用が100%に達した時に、人間はどうなるかという描き方は異なります。

さて、その時、果たして人間はどうなってしまうのでしょうか。

『LUCY /ルーシー』

LUCYマフィアの陰謀に巻き込まれ呆然とするルーシー(スカーレット・ヨハンソン)

『レオン』『ニキータ』のリュック・ベッソン監督がスカーレット・ヨハンソンと初タッグを組んで描いたアクション・エンターテインメントが『LUCY /ルーシー』

通常、動物は脳の数パーセント、人は脳の10%程度しか使っていないとノーマン博士(モーガン・フリーマン)が講演する場面が映画の中にあります。

「自信がなく死が怖い」ごく普通の女性だったルーシーは、たまたま訪れた台北のホテルでひょんなことからマフィアの闇取引に巻き込まれ、下腹部に「CPH4」という新種の麻薬が入った袋を埋め込まれてしまいます。

その袋が破れたことによって、彼女の脳の活動領域は20、30、40、50%とアップしていき、それによって超能力が覚醒。

その力を使って、ニューヨーク、パリ、台北を舞台に暴れまくります。

時間すら止めてしまう超能力を獲得します。

CPH4を摂取しまくり、彼女が使う脳の活動領域が遂に100パーセントにまで達します。

12時間前までは普通の女性だったルーシーは、果たして人類の救世主となるのでしょうか、それとも滅ぼすのでしょうか。

モーガン・フリーマン、チェ・ミンシクなどの良い役者を使っているのに、残念ながら口コミ評価の低い、B級映画の領域。

でもそれなりに楽しめます。

ー2014年公開 フランス映画  89分ー

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キャスト

  • スカーレット・ヨハンソン
  • モーガン・フリーマン
  • チェ・ミンシク
  • アマール・ワケド
  • ジュリアン・リンド=タット
  • ピルウ・アスベック
  • アナリー・ティプトン

クリエイター 

  • 監督:リュック・ベッソン
  • 製作:ビルジニー・ベッソン=シラ
  • 製作総指揮:マーク・シュミューガー

『LIMITTRESS/リミットレス』

LIMITTRESS

人間の脳の能力を引き出す新薬を巡る陰謀を描いたアラン・グリン原作の小説「ブレイン・ドラッグ」を映画化したのが『LIMITTRESS/リミットレス』

出版契約をしていた主人公のエディは、作家とは名ばかりで、筆が進まず完全なスランプ。

恋人にも愛想を尽かされ、どん底の生活を送っていました。

ある日、別れた妻の弟であるヴァーノンと街で偶然の再会を果たし、彼から「NZT-48」という怪しげな薬をもらいます。

ヴァーノンは製薬会社のコンサルタントをしていて、その製薬会社がある回路を活性化する脳内の受容体を発見したといいます。

「通常、人間は脳の20%しか使っていない。この薬は脳の力を100%引き出すんだ」

しかも、医薬品局が認めた新薬で来年から売り出す予定だといいます。

1錠800ドルだが、ただでやるよとヴァーノン。

エディは帰路、「どうせ人生どん底だ」と、「NZT-48」を飲み込みます。

帰宅すると大家の若奥さんと会ってしまい、滞っている家賃を催促されます。

ところが薬の効果が出て来て、みるみるうちに感覚が研ぎ澄まさされ、膨大な情報が頭の中で整然としかも瞬時に処理される感覚を味わいます。

認識力、記憶力、分析力などの力が冴え渡ります。

若奥さんが法科の学生であることを彼女のバッグの中にある本から察し、「どこかで得た情報が前頭葉で結びつき、断片が合わさり、有用な情報」となり、彼女に的確なアドバイスを与えます。

45分で彼女に代わって論文を書き、彼女は「イチコロ」。

自分の部屋に戻ると散らかり汚れた部屋の掃除に取り掛かります。

パソコンに向かうと一行も書けなかった小説をあっという間に仕上げてしまいます。

それを出版社に持って行って、3ページだけでも読んでみてと編集者に渡します。

ところが帰宅するや留守電には興奮した編集者からの電話が何度も入っていました。

3日もあればピアノを習得。語学は走りながらマスター。数学を使ってギャンブルで一稼ぎ。

美人の元カノともよりを戻し、幸せの頂点へ。

しかし、いや世の中そんなに甘くありません。

エディは、新薬の副作用と、その薬を巡る人間模様とに、次第に追い詰められていくのでした…。

高層ビルの屋上から、エディが今にも身を投げようとしているかのシーンから、この映画は始まります。

そのシーンが意味するものとは?

―2011年公開 米 105分―

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キャスト

  • ブラッドリー・クーパー
  • ロバート・デ・ニーロ

クリエイター

  • 監督:ニール・バーガー
  • 脚本:レスリー・ディクソン
  • 出演者:
    ブラッドリー・クーパー
    ロバート・デ・ニーロ
    アビー・コーニッシュ
    アンドリュー・ハワード
    アンナ・フリエル

人間の無限の可能性を信じたいために語り継がれる神話?

しかし、実際はどうなんでしょうか。

脳は一部しか使われておらず、数10%や100%を使えたら、超人的な脳力を発揮できるのでしょうか。

残念ながら、答えはどうやら「ノー」のようです。

これは「脳の10パーセント神話(ten percent of the brain myth)」と言って、都市伝説、迷信、民間伝承といった類の話に属するようです。

この「脳の10パーセント神話」の起源は諸説ありますが、

ある一説では、「脳の10%神話」は19世紀後半から20世紀初頭の神経学的研究の誤解によるる可能性が高いといいます。

『サイエンティフィック・アメリカン』誌記事の中で、ミネソタ州ロチェスターのメイヨー・クリニックで働く神経学者のジョン・ヘンリーは「1日で見れば脳の100%が使われている証拠がある」と述べている。

脳の構成要素の機能は概して解明されているものの、脳細胞(すなわち神経細胞とグリア細胞)がどのように複雑な挙動あるいは障害を発生させるのかに関して多くの謎が残されている。

出典 Wikipedia 

引用後半部分にあるように、脳の機能に関してはほとんど解明されているものの、神経細胞等には多くの「謎」が残されているわけで、その点が、「脳の10%神話」が生き続ける原因かもしれません。

『ルーシー』や『リミットレス』のみならず、この「脳の10%神話」を扱ったフィクション作品は、下記のように多くあります。

  • 小説『ブレイン・ドラッグ』(英:The Dark Fields) とその映画化作品
  • ジム・ブッチャーによるシリーズドレスデン・ファイルの第9巻『ホワイト・ナイト』
  • 少年漫画『PSYREN_-サイレン-』
  • テレビドラマ『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』

もしかすると多くの人々は、人間が内に秘める無限の可能性を「信じたい」のかもしれません。

そうである限り、「脳の10%神話」は後世まで語り継がれて行くことでしょう。

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